JAPAN BRAND ジャパンブランド プロデューサーインタビュー

プロダクトデザイナー/プロデューサー
有限会社クルツ
島村卓実さん

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  1. プロデューサーの紹介
  2. img地域の人との出会い
  3. プロジェクトの進行
  4. プロジェクトの今後

吉祥寺の街角での魚梁瀬杉との出会い。それがmonacca誕生に

monacca(モナッカ)』は、杉の間伐材を素材としたブランドで、バックを中心に座布団や電卓、椅子、テーブルなど、生活全般に製品展開している。デザインはもちろん、杉の軽さ、手触りの良さなど、杉材ならではの特徴を活かした世界観が構築されており、いまや世界中で高い評価を得ている。monaccaに使用されている杉材は、1,000メートル級の山々に囲まれた山村、高知県馬路村の魚梁瀬(やなせ)地区を植生地とする日本三大美杉のひとつ『魚梁瀬杉』の間伐材が活用されている。monaccaは、この魚梁瀬杉という素材と、プロダクトデザイナーの島村卓実さんとの出会いがきっかけで誕生したブランドだ。

—JAPAN BRANDに参加したのはどのような経緯からだったのですか?

img島村: 実はJAPAN BRANDに参加する以前にmonaccaはできていて、すでに試作もあったんです。そもそもmonaccaというか、monaccaの素材であり原型となった「魚梁瀬杉」との出会いがまずあったんです。僕は三鷹市に住んでいるのですが、近くの吉祥寺に高知県のアンテナショップ「高知屋」がありまして、ここで魚梁瀬杉の間伐材で作られた使い捨てトレーが売られていました。それに自分でオイルをかけて使っていたんです。曲がっているところが面白くて、きれいだと思っていたし、杉材というところも日本っぽくて気に入っていました。それ以上にこのトレーにいろいろな可能性を感じていました。

—まずは素材との出会いがあったのですね。

島村: そうです。そんな気になる存在だったところに、高知で雑誌を作る話があって、このトレーを作っていた馬路村の事を知ったんです。いまでもそうですが、この馬路村はゆずぽん酢が大ヒットしていて農業の方では話題になっていたんですが、林業は苦戦をしていたんです。そこで取材として現地に乗り込んでいって、これを使ってバックとか照明とか作ってはどうかと、いきなり提案したんです。これが実質的なmonacca誕生のきっかけです。僕の方から押し掛けていったというが実際のところですね(笑)

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—村からではなく、島村さんからの提案が実を結んだんですね。

島村: いいえ、実を結ぶまでにはまだ道のりがありました。いきなり乗り込んだ、どこの誰かわからない僕に、最初は村のみなさんは“はてなマーク”でしたが、話しているうちに乗って来てくれました。それで、村の会議に出て、村長も交えて説得したところ、「(魚梁瀬杉を利用したプロジェクトを)これを最後にする覚悟でやってみよう」という事になったんです。そこで、まずはIDEEが主催する「東京デザイナーズブロック」に参加してみる事になり、制作費を捻出していただき、僕もボーナスを全部突っ込んで、試作をしたわけです。

—東京デザイナーズブロックでの反応はいかがでしたか?

img島村: 「日経デザイン」をはじめ、米国のデザイン誌「IDmagazine」など海外のデザイン誌にも取り上げていただくなど、大いに評価をいただきました。試作段階にもかかわらず海外からの問い合わせでは価格の話まで出てしまい、仕方がないので(まだ製品になっていないのに)価格をつけて問い合わせに答えて、そこから製品化が動き出したんです(笑)。それでも実際に注文がなければ村として量産化にまでは動けないという事もあり、村が積極的に動いたのはこれよりもさらに後になりました。注文を取って来て、売れることで、ビジネスとして成り立つという事がわかってもらえました。さらに、反響の大きかった海外に紹介するために、JAPAN BRANDに参加するという話が出たわけです。

—ここでJAPAN BRANDが登場するのですね。やはりこの部分も島村さんが動いたのですか?

img島村: いいえ、そこは村の方が早かったですね(笑)。商工会も立ち上がってくれまして、JAPAN BRANDへの参入はスムーズでした。
最初、フランクフルトに持っていったのですが、海外の方々は、杉そのものをあまり知らない。セダーとも違いますし、珍しいという事がまずありました。そして、コンパクトで軽い。いくら詰込んでも10Kgにならない。杉の香りも人々を惹きつけました。みなさん、鼻をつけて香りを嗅いで納得されるのですが、プリントだろう、と言う人も多いので、ブースでは切断面を見せて、魚梁瀬杉の間伐材である事をアピールしました。

 第1回:島村卓実さん JAPAN BRAND プロデューサーインタビュー

プロジェクトの進行 bullet